父を撃った12の銃弾

父を撃った最後の銃弾は永遠に身中に留まるあらゆる場所やかかわりを通過しつづけた歳月にとどめを刺すように味わいのある文章といい練られた構成や伏線といいとてもよかったのだけれど優等生的な感じがして素直に絶賛できなかった巧い小説はきらいじゃないんだけどな巧さが鼻につく⋯⋯というほど悪くはなかったのだけれど素直に感じ入れなかったのは結局のところこの小説が親子の絆をうたいあげる性質の物語だったからだと思うきわめて上手に書かれたファザコン小説というかおれは異常者である両親に虐待されて育ちだれにも愛されたことがないので正常な人間の営みが理解できないそのせいかもしれないタイトルロールの育ちのせいでおもに犯罪で生計をたててきた人物なのだけれどもおれの父のような社会病質ではない至極まっとうな考え方をする撃ち方を娘に教えるくだりなんか生きる術を伝えようとする真摯さがあってなるほど親が子にしてあげられるのは人間として次の世代にそのような態度で接さなければならないのはそういうことなのだと思わされ絶望を教えて生きる術を奪おうとしたおれの父との隔たりに気が遠くなる優等生の朗読する親自慢の作文を教室で聞かされたような気分だこの記事のために画像検索して著者の風貌がおれが想像した主人公の少女そのままだったのに驚かされた父親を愛している女性には響く物語ではないかと思う知らんけど