どれを読んでもはずれのない作家だし、 好きな翻訳家なので楽しみにしていた。 びっくりするほどつまらなかった。 レナードの小説に期待するのはすっとぼけたユーモアだ。 この本にはそれがない。 併録された短編にはややその萌芽が見られて悪くなかったけれど、 ひとに薦めるほどではない。 うまくできているとは思う。 でもそれだけじゃ読む意味が感じられない。 もうちょっと何かほしいんだよなぁ。 もしこれが新人賞の応募作で、 自分が下読みだったなら、 よく調べたね、 上手だね、 と醒めた感じで一次は通すけれど二次では何も考えずに落とすと思う。 あの巨匠にもこんな時期があったんだなぁと思ったけれど、 勇気づけられたり感慨に浸ったりするほどでもない。 単に退屈な読書だった。 いちおう最後まで読んだ自分を褒めたい。
