好きなものしか書きたくない、 それ以外はどうでもいい、 という清々しいまでの強烈なこだわりで構築された 『アーダ』 とは真逆で、 きらいなものが皮肉り倒される悪意に満ちた小説。 とりわけ同性愛嫌悪がひどくて読みすすめるのが苦痛だった。 村上春樹によく見られる、 「同性愛者としての自分」 を畏れる強迫観念がここでも取り上げられる。 同性愛嫌悪はないものの、 というかその種の差別にはむしろ敏感に反撥する作風ではあるけれど、 ディックもまた
絶望
連載 第59回

読んで書いて出版して売る
連載 第59回
好きなものしか書きたくない、 それ以外はどうでもいい、 という清々しいまでの強烈なこだわりで構築された 『アーダ』 とは真逆で、 きらいなものが皮肉り倒される悪意に満ちた小説。 とりわけ同性愛嫌悪がひどくて読みすすめるのが苦痛だった。 村上春樹によく見られる、 「同性愛者としての自分」 を畏れる強迫観念がここでも取り上げられる。 同性愛嫌悪はないものの、 というかその種の差別にはむしろ敏感に反撥する作風ではあるけれど、 ディックもまた
