配る

ウェブサイトでの販売も開始して最初の出荷も済ませ準備期間を含めるとこの5年ほどずっと取り組んできたCloud9はとりあえず一段落お世話になった方々に献本を終えたらあとは好きな本を読んだりずっと前になむさんに譲ってもらったギターで遊んだりしよう⋯⋯本業でも休日でもメール作成画面とにらめっこしていたら目が充血してコンタクトレンズを入れられなくなった使い切り形式の殺菌剤入り目薬を買ってきて贅沢にじゃぶじゃぶ点眼しだいぶよくなった子どもの頃から水道水で目を洗うことを日常的にやってきたのをふと疑問に感じた鼻はアメーバ脳症を畏れて専用の洗浄液を使うのに目についちゃ無頓着だった検索したらわかりやすい画像付きでシャワーの水流を直接目に当てろと書かれた記事が上位に表示された大丈夫なんだと思って読み進めたら20〜30分それをやれと書かれていたいわゆるAIスロップ最近の研究によると大半の人間は自動生成されたを鵜呑みにするらしい人間がおなじことをいったら一笑に付すのにAIのご託宣は信じる。 「権力だからだキノコや毒草や登山で死者も出ているおれの読んだ記事で失明するやつもいるにちがいないニュースサイトには米国製AIとネパールの土石流災害の記事が交互に並んでいる金持の阿呆どもがご託宣に操られるために気候変動を促進し流されるのはおれら地方の貧乏人ってわけ差別排除を高らかに謳う米国人のカードゲームには審判の日と銘打たれたキノコ雲と津波に呑まれる浮世絵風のおれらとがあしらわれているそうだ

 暴風雨やら土石流やら山火事やら大災害が止まらなくなり地球が人類の居住に適さなくなるほど気候変動を加速させてまで滓の嘘に固執するのはなぜなのかものを考えたくないから欺されて破滅するのが好きだからだあるいは流されるのはよその地方の貧しい連中だとでも思ってるんだろうしかしそれがこの国じゃ総理大臣まで同様に底抜けの大阿呆なんだから地獄というしかない牛耳って儲ける側ならまだしも操られて搾取される側わざわざ尻尾を振って腹を見せに行っている政府は国防を米国製AIに委ねる方針で国家神道に憧れるファシストは勉強会なんかやってキャッキャしているそれどころかマイナンバーにしろ何にしろ国のシステムは大概AWSで動いてる⋯⋯さんざん依存させておいて脅迫して値を吊り上げたり一方的にあっさりサービスを打ち切ったりしかねない企業だぞスターリンクがロシアとウクライナのあいだでやったことを忘れたのかよそしてそのデータは米国の法律にのっとって向こうの国家権力に利用され放題だ米国製品を使うことが国防リスクでしかなくなったこの時代にいったい何をしてくれてんのよ文字通りの意味で売国奴だよな国を滅ぼした国家体制に強い憧れがあるわけだから米国によって滅ぼされることに執着があるのも無理はないか⋯⋯

 何の前触れもなく急に業者から居丈高に警告された次にまた出版申請前にJPROに登録したら取引を拒否するというそんな決まりがあるとは今回はじめて聞いた最初にしていきなり最終通告あたかもおれが規則を無視して常識外れの不正を重ねたかのような言い草でこれまでの出版物を人質にとって脅迫されたと感じた新進気鋭なむさんの大ベストセラーお天使にもインディ文学の巨匠イシュ氏の傑作三部作にも責任を負っているのに⋯⋯たしかに順序には無頓着だったけれどそんな説明は事前に受けていないしISBNを取得するやつは必ずJPROに登録するよう促されるんだから当たり前のことしかやっていないほかの利用者にも事前に何の説明もなくいきなりこんな脅迫をしているのかと問い合わせたら、 「弊社プロフェッショナル会員はJPRPの登録者がほとんどなくレアケースのためユーザーガイド等には記載しておりませんなんて開き直りやがったレアケースなわきゃねえだろつかJPRPって何? いろいろ雑すぎる⋯⋯つまりこの業者はどこにも記載していない規則を唐突に持ち出して次はねえからなと脅迫したこと気分次第でサービスを差し止めることを公然と認めたわけだこれだけ侮辱されて最低限の信頼性も担保されないんじゃさすがにもう次の出版には使えないしかしこれでも経営元が変わってから大幅に改善されたんだよなサービス開始当初はすべてにおいて殿様商売ってこういうのかとあきれさせられるやり口だったそれに同業他社と比較検討してみても条件に見合う業者はここしかない小説を書く以外の作業はほんとうはしたくないだから商業出版社を利用したかったのに門前払いされ黙殺されつづけるからにはどうしようもない何より政治的な情勢を鑑みるに遅かれ早かれいずれは自室ですべての行程を完結せざるを得なくなる幸いこの国はおれの舌や生命が物理的に非表示にされるところまではまだ到達していないけれど書いた言葉はすでにニーズとやらへの忖度で非表示にされ淘汰されている編集者の名刺が増えるだけだった若い頃実際に経験したことを小説に書くと荒唐無稽だと叱られ親は子どもを愛するものだこんな子ども欺しじゃなく大人の読み物を書きなさいと説教されたその大人の読み物とやらがってわけだ米国だろうが国内だろうが企業に依存して出版するリスク自体をまず先に考えなければ有名大学出の一流企業正社員の土石流に呑まれるおれらを高みから見下ろしたいなんてニーズに媚びなければ何も表現できないようじゃX線フィルムでロックンロールを密かにまわし聴くしかなかった大国と変わりない。 『Cloud9も本来は自宅のレーザープリンタで印刷して糊と万力で製本して直販だけで売るつもりだったでも原材料費だけでもPODより高くつくし採算を度外視しても手間がかかりすぎて発達性協調運動障害のおれには難易度が高すぎる⋯⋯まぁいつかは方法を見つけるさメールサーバだって直販サイトだって建てられたんだし

 企業ニーズと滓の嘘で汚染された小説はもう読めなくなった漫画はまだ読めているさのさくらただの飯フレです昨日公開分の第50話において48話で仲違いし49話で和解した男女の食と酒の描き方がそれまでと明確に変わっている食の体験について執拗な共有を重ねてきた男女が最新話では言葉にする前に食の体験そのもので感覚を共有し合い言葉はそのあとの再確認でしかなくなったこれまで一貫して感情を受け入れられたいが批判はされたくないという女性側の激しい欲望の象徴としてほとんど性欲のように描かれてきた飲酒がここではあたかも愛を交わした後の静かな語らいのように情熱的な共有後にひと息つく描写として位置づけられている一方でいまだ緊張関係のある別の男女主人公男性の後輩とその恩人においてはやはり女性の飲酒が同様の欲求として描かれる男たちは女たちのその欲求を気遣いながらも踏み込めずにいるおなじものを主人公カップルの女性は男性の後輩に対して膜みたいなのがあると評する明らかに主題にかかわる重要な会話でそう考えるとこの作品は食事を題材にしているようでありながら実際の主役は最新50話にしてはじめて言葉で語られるようになった酒のほうなのかもしれない主人公の女性が男性の後輩について語る台詞はあきらかに自分を重ねていて自己を省みる表情で描かれるそれらのコマだけ乱れた前髪が一本描き足されている後輩が特別な感情を向ける年上の女性と同一の造形でこの人物は読者にとって区別をつけづらいほどに主人公の女性と似せて描かれているやっぱりこれは意図的に計算してやってるな他者との緊張感をはらんだ関係性を今後どのように描くか気になるところだ

 女の幼さは侵してはならぬ可愛げとしていいねされ男の社会的な至らなさは糾弾され吊るし上げられる世の中だ前者は結局のところ内在化された男性視点であり女性差別に他ならない)。 おなじゼミの女子学生が紅茶が好きだと発言したのを聞いて親しくもないのに高価な紅茶詰め合わせを贈ってストーカー認定された男子学生の話を読んだうんそりゃだめだろさすがにキモいわおれのやっているのもおそらくおなじことだ紅茶のように価値ある商材でなくてもシステム上どうしても見合わぬ価格にならざるを得ないだけだとしても売値が3900円であるのは事実なんだからたぶんおれはいま他人と距離を詰めるという作業を意図的にやっていて詰められた相手側を脅えさせるか少なくとも困惑させている20歳そこそこの学生ならまだしも51歳にしてしくじりながら対人関係を学ぼうとしているんだから恥ずかしい話で湖に幼女を浮かべようとした怪物そのものとの自覚もあるけれど発達に後れがあるというのはそういうことだし何の進歩もないまま後期高齢者になるよりはましでこれはもうどうしようもない本を送付する相談のメールをいくつか書き定番化した遠出コースを走って帰りに薬局に寄った9000円近い買い物をして特大レジ袋ふたつに詰めていたら隣で袋詰めしていた爺さんが倒れた意識はあるふだんは若い女性店員の態度が最悪な店だがレシートを投げつけられる)、 幸いそのときは機転の利く若い男がいてふたりで爺さんを運んで調剤薬局のソファに寝かせたいま考えればおれにはなんの権限もないわけでその時点で店員に任せて帰るべきだったのに老人を相手にすることの多い本業の癖がつい出てしまい家族構成やら通院歴やら持病やらを詮索し同居のお姉さんを心配させたくないから救急車を呼びたくないんですねとかそのかかりつけ医に勧められた専門医に早く診てもらえとかなんとか余計なお節介を焼いたそんな会話をしたところでどうなるもんでもないんだが⋯⋯若い店員たちから異常者に向ける迷惑そうな視線を背中に浴び逃げるように袋詰めして店を出たどうするのが正解だったのかますますあの店で買い物をしづらくなった帰宅して栄養剤をデカフェで喉に流し込もうとして切らしているのはビタミンEだったのに台所の抽斗にまだ残っているDHA・EPAを買ってしまったことに気づいた見た目が似ているのでまちがえたそしてDHA・EPAは魚由来なんだよな⋯⋯なるべく生き物の命を奪った食品は口にしたくないんだけど走りに行く前に浴槽と床の排水口に塩素系の配管洗浄剤を流して帰宅したらシャワーを浴びる前に必ず流そうと決めていたのに薬局での騒ぎですっかり忘れた排水口の目皿を素手で戻し濡れた浴槽に素足で踏み入れて感触に違和感があった理由に数時間後のいまようやく思い至った

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