嗜好と意外性

使い較べてみるとやはりiTunesはサジェストが機能していますおそらく人力と思われるキュレーションも機能していますyoutubeもiTunesも嗜好に訴えることを選択しているのになぜAmazonだけがひたすら人間性を排除するのでしょうか彼らの場合それがカネになるからというのは理解できますが何か釈然としません必要に迫られて買う商品に関連づけを濁らされるのかもしれません必要に迫られて買うのと嗜好に基づいて買うのとでは消費という観点からは確かに等価ですしかし人間にとっては意味が異なりますその差をAmazonは理解しません彼らにとって意味がないから意図的に無視しています

Amazonで嗜好に合う商品を見つけにくいのはひとつにはランキングの問題がありますしかしこれはサジェストとは分けて考える必要があるでしょうサジェストはあるいは個人の環境によるのかもしれませんわたしの環境でyoutubeの精度が高いのは関連動画から好みのものを視聴したり好みでないものを除外したりしてアルゴリズムを調教するからですAmazonではあまりにも好みではない商品ばかり表示されるので閲覧履歴をオフにし、 「おすすめ商品に使わないにこまめにチェックを入れていますそもそも嗜好品はよそで買うようになりましたそれで悪循環に陥っている側面は否めません

しかしそれを考慮してもAmazonの関連づけは質が悪すぎます浅はかな関連づけをドヤ顔で押しつけてくる印象があります。 「何を結びつけたいかはわかるけれどそういうことじゃないと教えてやりたくなりますたとえば音楽を聴きたいのであってCDの些細なバージョン違いを蒐集しているわけではないのにすでに愛聴している同じアルバムばかりを執拗に薦めてきます商品の選択を嗜好ではなくモノの消費として捉えているからです

youtubeでは思いがけない意外な関連づけを提示され視聴してみると実際に好みだったりします実際には機械的な処理でしかないのに好みのツボをわかってくれていると感じますAmazonではそういう意外性は決してありませんこちらのことを知ろうとしない上から目線の押しつけに感じますあるいは予期しない文脈こそが人間性を感じさせるのかもしれませんその文脈は実際には統計的な近似値が錯覚させたにすぎないのですが

youtubeやiTunesが情報が人間の心にどう作用するかで収益を得ているのに対してAmazonは基本的にモノを売っていますデジタルコンテンツのような一部の例外を除けば物体をある場所から別の場所へ移動させることで収益を得ていますそしてその一部の例外において優位性があるのはKindleだけで音楽も動画もiTunesやyoutubeにはかないませんSpotifyやハッピーオフされたHuluにさえかなわないでしょうモノからはいくらでも意味や人間性を剥奪できます効率性のために彼らはそうしますその結果サジェストが薄っぺらになるのかもしれません

そういえばAmazonがまだ本しか売っていなかった頃には関連づけの精度はむしろ好評だったような記憶がありますスマートフォンがない時代ですからインターネットでの買い物も現代ほど一般的ではなかったはず利用者が少なければ選択された意外性がそのまま関連づけに反映されやすくなります利用者の層にも偏りがあったでしょうから偏りそのものである嗜好は幾分反映されやすかったかもしれません当時はインターネットを使っていなかったので実際にどうだったのかはわかりません