話題になった刊行時に数ページで挫折した本に十年ぶりに再挑戦した。 斬新で画期的と評判で権威ある賞をいっぱい受賞している。 だからきっとおれの読解力がなかっただけで今度は楽しめると思った。 結果おれの能力不足ではなかった。 単にこの本が下手だったのだ。 作家の才能だって微塵も感じられない。 どこが斬新なものか。 こんな手法は大昔からあるし作家が小説を書こうとする話なんてざらにある。 むしろ凡庸でさえある。 大切なのは小説として、 あるいはノンフィクションだといいはりたいのであれば読み物としておもしろいかどうかだ。 『筒井順慶』 や 『セバスチャン・ナイトの真実の生涯』 のように技法で楽しませるだけの能力を持ち合わせないのなら (技法で評価されたのであればその時点でおかしなことだが)、 大切なのは人間をいかに描くかだ。 その意味でもありえないほど失敗している。 絶望的に低い点で落第だ。 なんの洞察もない。 稚拙すぎる。 おれより下手だろこれ。 褒めるとしたら、 よく調べてありますね。 お上手でちゅね。 中学校の歴史の課題ならAプラスだ。 そういう評価なの? それでゴンクール賞獲れちゃうの? どうも欧州人はナチを主題にすると点が甘くなるようだ。 おおいに下駄を履かされた評価だと知った。 こんなものをご大層にありがたがる読者はおめでたい⋯⋯いやそんなこといっちゃいけないな、 好みはひとそれぞれだ。 おれにはつまらなかったです。 以上。
