だれの目にまらぬ幸福

自分のほかに13人の端末に配信されたと考えると妙な気分がするつい先日までその本はおれの頭にしかなかったのだ指先からHHKBヘMacから偉大なるモール様へそしてだれかの頭に流れ込む価格を480円にした書いて出版する実践者佐藤亜紀さんは一律500円の値付けをされている偉大なる先達がワンコインであるその価格から20円安いだけではおこがましいかもしれない百円安くすべきか迷った紹介ページの見栄えがいいので高いほうにした昨日は日記が26人に閲覧された普段の五倍だ流入経路を調べたら戸田さんにtwitterで紹介していただいていたおかげで三冊売れた戸田さんにはそれだけの力があるtwitterでは興味ぶかいことにFacebookページでは逆だ彼女の記事や本を共有すると意外なことにフォロワーが減るその85人は本に関心のあるユーザを対象に広告を出して集客した読書と出版の情報を期待していいねしてくれたのだその期待と異なる印象を与えたのだろう人格OverDriveを複数の著者で運用する案は必ずしもよくないのかもしれないあるいは逆に外部の参加者が少なすぎて奇異に感じさせたのだろうか去年逆さの月を簡易ブログ機能を使って連載したところ100人いたフォロワーがごっそり減ったそれで今年はサイトに連載機能を実装しFacebookページは告知のみに使ったその告知でフォロワーが減らなかったのは投稿時間がいつも深夜だったせいかもしれないもし一件でも購入に繋げられていれば今後もFacebookページをつづける価値はある関心は出版そのものにあってその先は重要ではないとはいえどうせ読まれるなら数多く売れるよりも質のいい客に読まれたいたびたび広告を試した印象ではFacebookでは電子版よりも印刷版のほうがコンバージョンしやすい明日にでも版下を作成するつもりだかつてインディ本の質を向上させブランディングするためのインフラをつくろうとしたFacebookの過去投稿によればちょうど三年前だまず商業と同等の品質をもちかつ独創的なものとしてインディ出版を定義づける次に著者を選定しロールモデルを確立するその上でブランドとしてのインディの認知を拡大する計画だったしかし賛同者のやる気が醒めぬうちに動く必要もあり大勢を巻き込んで見切り発車したもののいやがらせや脅迫に遭って断念した質のほうに着手もせぬうちから認知拡大のツールに手を出したのも失策だったが何よりまずかったのはやろうとしていることを他人に理解できるように説明できなかったことだ説明するための前提のそのまた前提すらだれとも共有できなかった噛み砕いて説明するよりも実際に手を動かすほうが向いているしそもそも当時の理想に魅力を感じなくなった目下の関心事は自己肯定感だ何かをやれたという実感を得たいそのための手立てとして以前の試みを再利用しようとしているただし技能や知恵の貸し借りによる品質向上という案だけはひとりではどうにもならない揉めずに他者の助力を得るには揉めぬだけの金を払うことだ今回の本も企画段階では校正校閲を業者に発注するつもりだった経済状態を見なおしたところ不可能だとわかったロックンロールにゃ金かかると泉谷しげるが歌ったのを思い出す出版も同様だおまえら募金しろとも彼は歌ったわけだが実情は逆にこちらが支援されたいほどだFacebookに国境なき医師団やロヒンギャ難民の記事が流れてくるたびに心苦しく感じるしかし本が売れてほしいとまでは思わないとんちんかんで悪意のある読まれ方をされるくらいならこれまで同様だれの目にもとまらぬほうがいい

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