説明
『血と言葉』
※ 『悪魔とドライヴ』 改題
YouTubeのLGBTチャンネルに違法アップロードされていた低予算映画 『恋に至る病』 のパロディ。 主人公が手紙を投函すると大道具のポストが揺れるような手作り感ある映画で、 生徒に強姦された天然パーマで眼鏡の高校教師が加害者を拉致して空き家だった実家に軟禁する話でした。 それに20歳くらいのときにT社のために書いたスクールシューティングの話をぶちこんで、 恋愛ものだと思われておれの本ではいちばん売れました。 25万くらい稼いだかな。 あぶく銭というか悪銭身につかずというかすべて広告費に消えました。 無意味でしたね。 たかだか10年前なのにいまじゃコンプライアンス的に成立しない話。 自分でも気色悪いと思います。 この作品までのおれがペドフィリアを題材にすることに執拗にこだわったのは自分が受けた虐待をなんとかしてエンタメに昇華できないかと試行錯誤していたからで、 スクールシューティングの話を含め、 いくつかの作品はあまりに気色悪すぎて封印しました。
『逆さの月』
四半世紀前、 10代の若者だというだけで犯罪者予備軍にされる謎の流行があって、 T社は正義の警官が10代の若者を罰する話を求めてたみたいなんですけど、 それと正反対のものしか書けなかったんで相手にされなくなり、 スクールシューティングの話をあきらめて別のを書いて、 S社のライトノベルの賞に送ったら編集長からじきじきに 「ラノベじゃないんで落としました」 と電話がかかってきたやつ。 その編集長には 『Pの刺激』 の草稿を読んでもらって 「あーこっちへ行っちゃったか」 といわれたんだけど、 どっちだったのかいまだにわからない。 おれの文章がまわりくどくなったのはこの作品でスティーヴン・キングの真似をして商標の固有名詞を多用して叱られたからです。
『崖っぷちマロの冒険』
同時期の 『逆さの月』 とあわせて実家をパロディした二部作といえる。 これを書くことで人間的な感情を取り戻せた気がする。 17歳の頃からずっとこだわってきたチャンドラーの卒論みたいな作品です。 たしか松本清張賞? かなんかで二次落ちだったような。 書いた直後にそっくりな猟奇事件が起きてびびった。 だからT社に相手にされなかったのかも。 編集者からは 「真実味がなく共感できない。 親は子どもを愛するものだ」 と叱られました。 出来としてはゴミ以下ですけど個人的に思い入れがあって収録しました。
